2018年12月26日

祭事ごと

建築工事を始める前におこなう儀式で「地鎮祭」というのがあります。これは皆さんもご存知の方も多いかと思いますが、いったい何をしているのかわかならい、わからないまま終わってしまうこともございます。これから今から家探しされる方や建築される方はご参考いただければと思います。

 

 地鎮祭 

地鎮祭(じちんさい・とこ しずめ の まつり)は、土木工事を行う際や建物を建てる際に、工事の無事や安全と建物や家の繁栄を祈る儀式のことを言い、その土地の神(氏神)を鎮め、土地を利用させてもらうことの許しを得るためにおこないます。「じちんさい」と読むほか「とこしづめのまつり」と読むこともあります。工事の着工にあたり、神職をお招きして神様にお供え物をし、祝詞をあげ、お祓いをして浄め、最初の鍬や鋤を入れ、工事の無事を祈ります。
※地方により、鎮地祭、土祭り、地祭り、地祝いとも言われる場合があります。関西では概ね「じちんさい」ですね。

 

一般には、土地の四隅に青竹を立て、その間を注連縄で囲って祭場となし、斎主たる神職のもと、事業主・建築業者・施主の参列の上で執り行います。祭場の中には木の台(八脚台という)を並べ、その中央に神籬(ひもろぎ、大榊に御幣・木綿を付けた物で、これに神を呼ぶ)を立てて祭壇となし、酒・水・米・塩・野菜・魚等の供え物をお供えいたします。

よく、「地鎮祭のときに何か必要なものありますか?」と聞かれますが、お供え物は宮司様がご用意くださいますし、当社からお供え物としてお酒を用意しておりますので、必要なものはございません。

 

神社はどこに依頼しているか…

もともとはその土地の氏神様を祀っている神社が地鎮祭をしていましたが、近年では氏神、産土神、鎮守の神が同一視されるようになってきており、最も近い場所にある神社に依頼することが多くなってきています。

当方では、生島神社(八幡神社)・猪名野神社・西宮神社(えびす神社)等に依頼することが多いです。

地鎮祭の日取り…

土地の販売を開始するまでに、多くの分譲地では、土地を販売出来る状態にするために造成工事(分譲地内に新たに道路を敷いたり、上下水の引込工事等)がはじまります。このように、販売前に既に工事が始まってしまうため、事業主にて分譲地全体で地鎮祭を執り行っている場合がございます。

また、分譲販売開始後に地鎮祭を行なう場合においても、1件目の着工が始まる際には地鎮祭を始めさせていただきます。予めご了承ください。

地鎮祭は慣例的に吉日を選んで行なわれることが多いため、地鎮祭の吉日とされる大安、先勝(または友引)の日に行っている場合が多いです。ただし、ご参列いただける方が多数に及ぶ場合、全ての方の日程をあわせることは難しいため、神主(宮司)様のご予定、及び、当方より指定した日時にて、ご参列いただくことになりますので予めご了承ください。

 

御神饌料(初穂料)…

神職への謝礼(神社へのお礼)になります。概ね5万円くらいと言われています。
基本的に分譲地全体で地鎮祭を行なう場合の費用等についてのお施主様ご負担金はございません。

※ただし、戸別に地鎮祭をご希望される場合、別途費用がご負担となります。また、神主(宮司)様のお手配、日程調整はお施主様にお願いしております。当方でご準備できますのは、四方竹、注連縄、砂、テント・イス・幕(紅白)(雨天時及び希望の場合のみ)になります。

 

それでは当日の儀式の流れをみていきましょう。

●地鎮祭の流れ

修祓(しゅばつ)の儀
祭に先立ち、参列者・お供え物を祓い清める儀式。

 降神(こうしん)の儀
祭壇に立てた神籬に、その土地の神・地域の氏神を迎える儀式。神職が「オオ~」と声を発して降臨を告げる。

献饌(けんせん)の儀
神に祭壇のお供え物を食べていただく儀式。酒と水の蓋を取る。

祝詞奏上(のりとそうじょう)の儀
その土地に建物を建てることを神に告げ、以後の工事の安全を祈る旨の祝詞を奏上する。
四方祓・四方清祓(しほうはらい・しほうきよめばらい)の儀
土地の四隅をお祓いをし、清める。

地鎮(じちん)の儀
※ご参列頂いた方にご参加もお願いしております。
刈初(かりそめ)、穿初(うがちぞめ)、鍬入(くわいれ)、等が行われます。設計・施工・建主に振り分ける事が多い。特に設計・施工が同会社の場合など、刈初(かりそめ)の儀は省略する場合がほとんどです。刈初が「鎌」の意となり、その土地の草を刈る仕草…整地するようなイメージでいいと思います。
穿初が「鋤」の意となり、鎮物を埋めるための土にスペースを作ってあげるような作業をします。
このあと、宮司様が「鎮物埋納の儀」として、鎮物を作ったスペースにおいてくれます。
最後に鍬入の意として、それを埋め戻すような所作をおこないます。
これは関東と関西では順序が違っていたりします。概ね宮司様に従っておこなっております。

玉串奉奠(たまぐしほうてん)の儀
※ご参列頂いた方もご参加いただいております。
2礼2拍手1礼

神前に玉串を奉り拝礼する。玉串とは、榊に紙垂を付けたもの。

撤饌(てっせん)の儀
酒と水の蓋を閉じお供え物を下げる。

昇神(しょうしん)の儀
神籬に降りていた神をもとの御座所に送る儀式。

といった流れになります。

当日はラフな格好でご参列いただいております。特に女性の方はヒールなど歩きにくい靴はできるだけ避けていただいたほうがよろしいかと思います。
また供物など、地鎮祭が終わりましたらお分けさせていただいておりますので少しお荷物ございますのでよろしくお願いいたします。

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